このページでは試験規格に採用されている「UL規格」についてまとめています。

UL規格とは?

UL規格は、アメリカ保険業者安全試験所(UL:Underwriters Laboratories Inc.)が制定する電気製品の関する安全規格です。UL規格では、あらゆる電気製品の安全性に関わる標準化を目的としており、民間機関が運営する規格ですが、米国内での社会的信用度が極めて高く、アメリカ国家規格協会(ANSI:American National Standards Institute)により事実上の国家規格に近い位置付けになっている規格です。そのため、アメリカの電気製品のほとんどはUL認証を取得し、その製品の品質を担保しています。

ANSI:アメリカでは日本のJISに近い位置づけとなっていますが、大きな違いとしてはJISが経済産業省を主とした委員会が策定しているに対して、ANSIは民間の非営利組織が運営しているという点です。

参照URL: 米国国家規格協会

UL746Bとは?

UL746Bは長期的耐熱性に関するUL規格です。プラスチックが長い時間、高い気温にさらされた際の耐熱性のことを「長期的耐熱性」といいます。熱による劣化・分解によって、プラスチックがもつ各物性値の低下が引き起こされます。

この長期耐熱性の指標としては、UL746Bの相対温度指数(RTI)が用いられることが多く、長期間、高温環境下にさらした後に引張強度、衝撃強度、電気絶縁性についてそれぞれ評価が行われます。

※相対温度指数(RTI:Relative Thermal Index)とは?
プラスチックを一定温度の大気中に100,000時間(約11.4年)さらした際に、初期の物性が50%以下に低下するときの温度を指します。

安田精機では、UL746Bに対応する試験機としてNo.102 ギヤー老化試験機がございます。

→ギヤー式老化試験機

長期的耐熱性とは反対に、短期的耐熱性という指標があります。長期的耐熱性がプラスチックに外力が加わらない状態での長期的な安定性を示す物性に対して、短期的耐熱性は高温環境下でかつ加重などの負荷を与えた状態での、変形・破壊が生じる温度のことです。

※短期的耐熱性
短期的耐熱性としては、荷重たわみ温度(HDT:Heat deflection temperature)を参考にすることができます。短期的耐熱性の評価には、安田精機のNo.148-HD ヒートデストーションテスターシリーズのページをご覧ください。