こんにちは、安田精機のメディア・マーケティング課です!いつも読んでいただきありがとうございます。今日は少しグローバルな話題として、中国の代理店が来日した際の様子を紹介したいと思います。
今まさに大躍進を続ける中国のものづくり市場の現場についてもお伝えしていきますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。
<目次>
中国代理店が来社しました
5月11日から5月19日にかけて北京で試験機の代理店を運営する「北京仕家万聯責任有限公司」から4名の社員が来社しました。安田精機とは10年以上お付き合いがある会社で、今回は社長も来日しました。
当社からは、海外営業課の2名(Nさん・Sさん)とサービス課の2名(Mさん・Nさん)の計4名でお迎えしました。来日の主な目的は、主力となる製品の勉強や納品方法・校正方法を学ぶことです。今期はこの代理店経由の売り上げが過去10年の中でもベスト1.2くらいになることが見込まれ、当社としても気合が入ります。
今回の来社は3回目。コロナウィルスの世界的流行が落ち着いてから初めての来社です。先方から来社したいとお話があり、2名の営業社員と2名の技術担当がはるばる北京からやって来てくれました。
試験機の勉強会を開催
来日のメインの目的である勉強会の内容を紹介します。勉強会では主に校正方法や主力の製品装置の説明が行われました。
アフターサービスの方法をマンツーマンでレクチャー
まずは校正方法についてレクチャーします。校正とは試験機で正確に試験を行うために、正しく「数値」が測定できているかどうかを確かめる検査をすることです。勉強会では、実際に当社で校正を担当するサービス課の社員からこれまでに販売してきた装置のアフターサービスの方法をマンツーマンでレクチャーします。
これまでは販売後のアフターサービスは弊社で行っていましたが、今回を機にアフターサービスの一部も代理店が担当することになっていきそうです。
急遽代理店の商談に同席!
勉強会を進める中で、急遽現地の代理店から「実際の装置をお客様に見せたい」と話があり、弊社のスタッフが打ち合わせに同席するシーンもありました。数日間の滞在で3回ほど同席をするなかで感じたことは、代理店がお答えできない質問はこちらが思っているより多いのかな、ということでした。
試験機は構造が複雑なので、代理店経由でお客様からいただいた質問に回答するためには、お客様から情報提供をしていただく必要があります。たとえば、現在行っている試験の内容や、日頃どんな状況で試験をしているかなど、ある程度お客様の状況がわからないとお答えできない内容が多く、質問をいただいてから回答するまでにタイムロスがあることもしばしば。今までは「早く本社から回答が欲しいのに…」と、代理店のスタッフがやきもきしていたかもしれないなと感じました。
今回の来社では、実際に作業を行うサービス担当と技術的な話をするチャンスも多く、解答にどうしても時間がかかってしまう原因や、タイムロスが起こってしまうことについての理解が得られたような気がします。
滞在中のお楽しみはしゃぶしゃぶや焼き鳥
滞在期間中は、勉強会だけでなく、しゃぶしゃぶや焼き鳥など、日本食を楽しむ交流の場も設けました。打ち解けた時間を過ごすことで心理的な距離もさらに縮まったと感じています。
弊社では、今期から中国出身のSさんがこの代理店の担当になり、通訳を介さず、中国語で直接コミュニケーションをとれるようになったことで今までよりも踏み込んだ話ができていると感じています。
今後はこの調子で売り上げ拡大を進めていきつつ、全自動メルトなど、大型製品の販売も強化していく予定です。
安田精機の海外営業って?
海外営業課の仕事や安田精機の代理店について簡単に説明しておきます。安田精機には、さまざまな国に代理店があります。国や代理店によって規模は異なり、数十人で構成されている代理店もあれば個人の代理店もあります。それぞれに製品販売に対する熱量や、製品に対する知識や技術力も全く異なります。
代理店の担当者に対して、当社の目標を伝え、製品の仕様や売り方を伝えていくことは海外営業における大切な部分でもあり大変な仕事でもあります。海外営業課では、代理店スタッフの教育や業務のサポートを行いながら関係を深められるよう模索しています。
トピック:大躍進を続ける中国のものづくり
今、中国のものづくり市場が大躍進を遂げています。これまでは下請けやコピー製品などマイナスなイメージも多かった中国市場ですが、今では世界をリードする技術大国になりました。
中国の製造技術が進歩したのは2016年の「起業ブーム」がきっかけです。これまではコピー製品が主流でしたが、政府がスタートアップ支援に力を入れたことで、エンジニアがどんどん起業し、「技術で世界を変える」というような発想が生まれました。
この動きをきっかけに消費者の意識も変化します。外国製品に憧れて、富裕層や30代~40代の中国人は外国製品を買う一方で、20代の若者の間では「スマホならファーウェイ(中国人気メーカー)!」と外国製品信仰が薄れていきました。
また、中国で新しい技術が生まれやすい原因の一つに、中国は日本よりも法律や市場が「ゆるい」ことがあげられます。完璧な製品でなくても市場に出せるので、イノベーションが起こりやすくなるという理由です。日本では新しい製品を出そうと思うと、安全面や性能に関するさまざまな実験が必要ですが、中国では「未完成なものでも売ってよい」という考えがまだ残っています。
エンジニアの起業を政府が支援することに加え、パーフェクトな状態でなくても製品を世に出せることでスタートアップのハードルも下がります。それに加えて消費者が自国の製品にも誇りを持つようになったことで、中国のものづくりはまだまだ躍進を続けていくと考えられます。
まとめ
中国から代理店が来社したことで当社としても新しい発見がありました。世界のものづくりをリードする会社同士がチームとして手を取り合えば、さらなる技術革新に貢献できると感じています。