ボールタック試験の各規格への対応項目について、表にまとめました。

表1はJIS規格、表2は日本薬局方(粘着力試験法・傾斜式ボールタック試験法)について項目別にご確認いただけます。

表1 JIS Z0237:2009

項目JIS-Z0237:2009No.183-BT-5
試験片(14.1) 10~15mm
長さ(14.1)300mm
枚数(14.1)4枚以上
その他(14.1) 端を鋭利な刃物で切断
粘着面にほこりなどを付着させない
粘着面に素手で触れたり、他の異物を触れさせない
装置助走路(14.2.1) 100mm以上
測定部(14.2.1) 助走路下端から100mm範囲の粘着面100mm
助走路下端から100mm範囲
傾斜角(14.2.1) 20,30,40°固定式 30°
可変式 15~45°
ゲート数5
傾斜板 長さ300mm
傾斜板 高さ
傾斜板 幅190mm
傾斜板素材(14.2.1) 平滑で硬い平面版
(ガラス、金属、木、プラスチックなど)
ステンレス鋼材 (SUS304)
バフ仕上げ
ボール材質(14.2.2) 高炭素クロム軸受鋼鋼材の2種
(SUJ2) (JIS G4805規定)
精度(14.2.2) 玉軸受用鋼材 等級40以上 (JIS B1501規定)
大きさ(14.2.2)
1/16~1までの31種(JIS B1501 表1 “呼び”のインチ系列 参照)
(“奇数/64” すなわち 5/64, 7/64, 9/64, 11/64, 13/64, 15/64, 17/64, 19/64, 21/64, 23/64, 25/64, 29/64及び31/64を除く)
保管方法(14.3) 防錆剤中に保存
①指定された洗浄剤(※1)を布などにしみこませ表面を拭く
②乾いた後、新しいガーゼなどで乾燥するまで拭く
①、②の工程を3回以上繰り返す

防錆剤中に保存
取扱注意(14.3)ピンセットなどで取り出す
ピンセットなどで取り出す
試験方法試験片セット(14.3)
試験片の上端、下端を粘着テープor分銅 (質量500g)で止める

試験片の粘着面でない面の上端と下端に両面テープで貼り付ける
(14.3) 試験片が浮いたり、しわになったり、曲がったりしないように注意する
縁がカールし浮いている場合は、他の粘着テープで板上に固定
(14.3)ボールの大きさに合わせて助走路100mmと一定になるようにボールの中心をスタート位置に調整する
ボールの中心をボール中心刻線に合わせて
スタート位置を調整する
測定部両端セット(14.2.1) (14.3) 厚さ25μm JIS C2318に規定するポリエチレンテレフタラートフィルム
試験片粘着面の上部に貼る
試験結果結果測定(14.4) 測定部内に5秒間以上停止する最大のボールと傾斜角度
計算方法(14.3) ボールナンバー (ボールの呼びの32倍の数値)で表す
3枚の試験片の平均値
例) 1回目 2 回目 3 回目
   6 7 6
( 3/16) ( 7/32) ( 3/16)
(6+7+6)÷3=6.3
JIS規格の場合

 

表2 第十八改正日本薬局方

〔6.12 粘着力試験法 3.2 傾斜式ボールタック試験法〕

項目第十八改正日本薬局方
6.12 粘着力試験法
3.2 傾斜式ボールタック試験法
No.183-BT-P-5
試験片(3.2.2) 10mm
長さ(3.2.2) 70mm以上
枚数
その他
装置助走路(3.2.2) 100mm
測定部(3.2.2) 50~100mm助走路下端から50~100mm
傾斜角(3.2.1.1) 30°固定式 30°
ゲート数5
傾斜板 長さ(3.2.1.1) 300mm以上
400mm
傾斜板 高さ(図6 12-3) 150mm (一例)199mm
傾斜板 幅
(図6 12-3) 100~150mm (一例)
190mm
傾斜板素材ステンレス鋼材 (SUS304)
バフ仕上げ
ボール材質(3.2.1.2) 高炭素クロム軸受鋼鋼材の2種 (SUJ2) (JIS G4805規定)
精度(3.2.1.2) 玉軸受用鋼材 等級G40以上 (JIS B1501:2019規定)
大きさ
(3.2.1.2) No.2~32 31種 (表6参照)

※ 1/32はオプション扱い
保管方法
防錆剤中に保存
取扱注意
ピンセットなどで取り出す
試験方法試験片セット(3.2.2) 所定の位置に粘着面を上にして固定
試験片の粘着面でない面の上端と下端に両面テープで貼り付ける
(14.3) 試験片が浮いたり、しわになったり、曲がったりしないように注意する
縁がカールし浮いている場合は、他の粘着テープで板上に固定
(3.2.2) 試験片が浮いたり、しわになったり、曲がったりしないように注意する
縁が湾曲し浮いている場合は、他の粘着テープで板上に固定

ボールの中心をボール中心刻線に合わせて
スタート位置を調整する
測定部両端セット(3.2.2) ボールが滑らず転がる適当な紙
測定部の上端と下端を覆う
規格で規定された紙を
試験片粘着面の助走部分に貼り付ける
試験結果結果測定測定部に停止した最大のボールナンバー
計算方法
※1 ジアセトンアルコール(4ヒドロキシ-4メチル-2ペンタノン)、メタノール、メチルエチルケトン、アセトン、n-ヘキサン。溶剤は試験用または残さのない工業品用薬品以上の品質とする。
日本薬局方の場合

参照情報

JIS規格:JIS Z0237
https://www.jisc.go.jp/app/jis/general/GnrJISNumberNameSearchList?toGnrJISStandardDetailList

日本薬局方(第十八改正)粘着力試験法(46-0012-0)
https://www.mhlw.go.jp/content/11120000/000788359.pdf

ボールタック試験機の詳細は以下のページをご覧くださいませ。