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安田精機のメディア・マーケティング課です。本年もどうぞよろしくお願いいたします。

今回のブログは、お正月に際し、伝統玩具の凧やコマに隠された原理を安田精機の目線で解説していきます。凧が飛んだり、コマが回ったりする現象は物理の法則によって成り立っていることはご存じですか? ここでは知っているようで知らない伝統玩具のカラクリを紐解いていきます。

「凧はなぜ飛ぶ?」凧の原理を解説

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凧あげはお正月を連想させる伝統の遊びで、1連のものや複数の凧が連なっているものなど、さまざまな形があります。わたしも小さい頃は凧あげをしていた記憶がありますが、最近は凧揚げが禁止されている地域が多く、東京では一部の公園でも禁止されているようです。

ここからは凧の原理を2つの観点から説明していきます。一つ目の観点は凧が風を受けて上昇する「揚力(ようりょく)」で、二つ目は凧が空中で安定して飛び続ける「バランス」についてです。

凧が浮かび上がる原理

揚力は、凧が風を受けて上昇する力を生み出す重要な要素です。凧が風に吹かれると、風は凧の表面に上下から圧力をかけます。このとき、上の面と下の面では風の流れにより圧力差が生じます。

具体的には、風がななめになっている凧を通過する際、凧の上面の圧力が低下し、凧の下面は風の流れが速くなり、下面の圧力が上昇します。この上面と下面の圧力差が「揚力」を生み出し、凧を上空へ浮上させるというわけです。

凧が安定して浮かび続ける原理

凧が風によって上昇するだけでなく、空中で安定して飛び続ける原理には凧の構造や形状が深く関係しています。さまざまな形状の凧がありますが、どの凧も複数本の糸で引っ張られていて、左右対称の反りがある形状で、尾のようなものがついているかと思います。これらの特徴には凧を空中で安定して飛ばすために必要な要素が含まれています。

それぞれの要素が果たす役割を簡単に説明します。

糸・・・風で凧が上に上がろうとする力と糸を引く力でバランスをとる

反り・・・風の流れを凧の左右に分かれるため凧本体が左右から挟み込まれ安定する

尾・・・凧が回ったり揺れたりするのを防いでバランスを保つ

マメ知識:測定器として活躍する凧

日本ではお正月の風物詩のイメージの強い凧ですが、海外にも凧があります。また、凧はおもちゃとしてではなく、測定器として使用されることもあります。ベンジャミン・フランクリンが凧を使って、雷が電気であることを証明したことは有名です。明治時代には凧を利用した気象観測も行われていました。

「コマはなぜ回る?」コマの原理を解説

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コマは漢字で「独楽」と書きます。「独」=独自に回転する、「楽」=遊びの2つの漢字の意味が組み合わさって回転する遊びを独楽=コマと呼ぶようになったと言われています。

コマが回る原理の説明では、慣性の法則やジャイロ効果という言葉がキーワードとして頻出します。コマの回転を地球の自転に例えて話されることもあります。慣性の法則、ジャイロ効果、地球の自転にスポットをあてながらコマの原理をわかりやすく解説していきます。

慣性の法則

慣性の法則では、物体はその運動状態を変えようとする力が働かない限り、そのまま動きを維持しようとします。コマが回る原理におきかえると、コマは一度回り始めると、回転している状態を保とうとする慣性の法則が働いて、外部からの触れたり止めようとしたりする力が加わらない限り、コマが回り続けるということです。

ジャイロ効果

ジャイロ効果は、回転している物体が斜めに傾くことを防ぐ性質を指します。コマが高速で回転している場合、その回転軸に対して垂直な方向に力が働いても、回転軸が変わることはありません。これによって、コマは安定した回転軸を保ち、傾きにくくなります。コマが直立して回り続けているのはジャイロ効果による性質です。

地球の自転

地球の自転は、地球が一日に一回回転する現象を指します。地球が自転していることによって、地球上のすべての物体には地球の自転速度による慣性が働きます。つまり、前述した慣性の法則と同様に、コマが地球上で回る場合、地球の自転による慣性の影響を受けるということです。地球の自転がなければ、コマが回り続けるためには追加で力を加える必要があり、安定して回転することが難しくなります。

説明した3つの要素が組み合わさって相互に作用することで、コマが回転し続ける不思議な現象が生まれているというわけです。

マメ知識:宇宙エレベーターに応用される回転の力

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回転の力は多くのものに利用されており、とくに遠心力は重要な要素を担っています。昨今、開発が現実味を帯びてきた「宇宙エレベーター」も、宇宙ステーションと地上をつなぐ方法として地球が自転する遠心力が利用されています。自転の遠心力が作用することで、宇宙ステーションを常に静止軌道上で移動させることができています。

現在、静止軌道は赤道上にしかないので、日本に宇宙エレベーターを設置したい場合は、宇宙ステーションのほうを何かしらの方法で移動させ続けなければいけないようです。

まとめ

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今回はお正月の伝統遊びを支える物理の原理をものづくりの視点で紐解いてみました。このように日常生活に目を凝らしてみると、あちこちに物理や化学の原理や法則が隠れていることがわかります。コマに地球の自転が関わっているってなんだかわくわくしますよね。

2024年も、みなさんにものづくりのわくわくや楽しさをお届けしていきたいと思います。改めて、本年も安田精機製作所をどうぞよろしくお願いいたします。

参考:凧の揚がる原理地球はどうして回り続けているの?