カタログやホームページで使われている専門用語を解説します。
あ行
アイゾット衝撃試験 |
衝撃試験のひとつ。試験片の片端を固定し、反対側をノッチの付いている方向からハンマで打撃し、破壊させたときの衝撃値を評価する方法である。 |
圧縮永久ひずみ試験 |
ゴムは一定の力で圧縮され続けると、圧縮を解いても元の状態に戻らないことがあり、元に戻らなかった部分を圧縮永久ひずみと言う。圧縮永久ひずみ試験(へたり性を求める試験)は平行な板状の装置にゴムサンプルを挟み、規定の温度で規定の時間圧縮し変形させ、装置を外した状態でのサンプルの高さと圧縮前の高さを比べる試験のこと。 |
ウォータ法 |
生地の水蒸気の通しやすさを評価する試験の一つ。既定のカップに約40°Cの水を42ml入れて生地の試験片をセットする。規定の温湿度条件下で、1時間後とさらに1時間後に質量を測定し、生地を通して蒸発した水の質量から透湿度を算出する。 |
エナメル線 |
銅線にエナメル塗料を焼き付けて絶縁した電線のこと。 |
エリクセン値 |
金属薄板の張出し加工時の塑性変形特性を調べる試験のこと。しわ押さえとダイスの間に固定された試験片に断裂が発生するまで一定スピードでクランプし球頭パンチで押し上げくぼみを形成し、くぼみに亀裂が生じるまでの高さ(深さ)を計る。この値をエリクセン値と言い、エリクセン値が高いほど成形性に優れていることになる。 |
エルメンドルフ引裂法 |
紙、板紙、プラスチックフィルム等の引裂き強さを評価する試験。扇形の振子を一定の高さより振り下ろして、あらかじめ切れ目を入れた試験片を引裂くのに要した力を読み取り、引裂き強さを算出する。引裂き強さはニュートン単位で表す。 |
塩化カルシウム法 |
生地の水蒸気の通しやすさを評価する試験の一つ。規定のカップに塩化カルシウム(吸湿材)を入れ、3mmの区間をあけて生地の試験片で密封する。一定の条件下で放置し、試験片を通過して塩化カルシウムが吸湿した水蒸気量を測定して透湿度を算出する。 |
応力緩和試験 |
高分子物質に一定ひずみを与えて、経過時間ごとの応力変化を測定する試験。 |
か行
可塑性 |
固体に力を加えて弾性限界を越える変形を与えたとき、力を取り去ってもひずみがそのまま残る性質のこと。 |
可とう性 |
柔軟性があり、折り曲げても破断・割れない性質のこと。 伸びについては弾性よりも小さく、微弾性と呼ばれることもある。 |
加硫ゴム |
加硫とは、生ゴムに「硫黄」の加硫剤を混ぜ合わせた上で加熱・加圧する事により引き起こる化学反応で、「硫黄」がバインダーとなりゴムの分子結合で編み目状に連結構造になることを言う。この化学反応でゴムは強靱な弾性と安定した耐熱性を持つようになる。 |
環境応力き裂試験 |
ストレスクラッキングの発生を調べる試験のこと。ノッチを入れた試験片を薬液に浸し、試験片に亀裂が入るまでの時間を測定する。 |
カンチレバー法 |
布の剛柔度試験のひとつ。45° の傾斜を持つ水平台に試験片をおき、斜面の方向に滑らせ、試験片の一端の中央点が斜面に接したときの位置を水平台のスケールから読み取り、試験片が移動した長さで剛軟度を評価する。 |
ガーレー試験機法 |
透気度をはかる試験。内筒の重さによって空気が圧縮され、一定量の空気が締付板に固定された試験片を通り抜けるのに要した時間を測定する。 |
機械的安定性 |
合成ラテックス、 合成樹脂エマルション に求められる、移送、配合・攪拌、塗工の各工程で受ける様々な機械的作用に耐えるための安定性のこと。ラテックスは機械的作用によって運動エネルギーを与えられると凝固物が発生する性質があり、加工の過程で凝固物が発生するとラテックスは本来の機能を発揮することができなくなる。 |
クラック |
き裂、ひび割れのこと。 |
クラッシュバーグ柔軟温度試験 |
プラスチックの低温下でのねじり剛性を評価する試験。 |
クリープ |
プラスチックに荷重を継続的に作用させると、徐々に変形が進んでいく現象をクリープと言う。 |
クロスカット法 |
塗膜及びコーティングの付着力・密着力の評価をする試験のこと。試験片に格子状の切り込み(クロスカット)を入れ、そこへ粘着テープを張り瞬間的に引き剥がす。テープによって塗膜が剥がれた状態をJIS規格にある試験結果の分類0~5の図例と比較しながら試験部分を分類する。 |
クレム法 |
吸水度試験のひとつ。現象により紙が水を一定時間で吸い上げる吸水高さを測定する。 |
検ねん器 |
試料に一定の荷重を加え、単繊維又は単糸が平行になるまで解ねんし、その時の撚り数及びより縮め率を測定する機械のこと。 |
合成樹脂エマルション |
合成樹脂の粒子が水中に均一に分散している液体のこと。一般的なエマルションではこの粒子が乳化剤によって安定化されている。 |
合成ラテックス |
ラテックスはゴムの樹液を発泡させて生産するが、この時に他の原料を混ぜ合わせることにより種類が変わる。天然ゴムの保有量が80%以上であれば天然ラテックス、それ以下であれば合成ラテックス、他の原料が無ければ天然ラテックス100%となる。 |
高分子材料 |
金属、無機(セラミックス)材料と並んで、社会や生活で重要な役割を示す材料の一つで、ゴム、プラスチック、繊維などに代表されるものである。 |
コッブ法 |
非吸水性の紙及び板紙が一定時間水に接触した場合の吸水度を評価する試験。規定された条件下において、紙又は板紙に吸収された水の質量を1m四方当たりに換算して吸水度(コッブ値)を算出する。 |
剛性度 |
曲げなどの外力がかかった時に、変形しづらい強度のこと。 |
こわさ |
コシや剛度ともよばれ,試料を曲げたときの抵抗性を表す。 |
さ行
差動トランス |
変位センサの測定原理のひとつ。変位センサ(変位計)とはセンサから物体までの距離を測定するセンサの一種で、測定した位置情報を元に、物体がある位置から他の位置まで移動したときの移動量(変位)を測定するセンサである。 |
酸素指数 |
酸素指数とは、材料が燃焼を持続するのに必要な最低酸素濃度(容量%)のことである。 |
シャルピー衝撃試験 |
衝撃試験のひとつ。試験片の両端を支え、ノッチ部の背面をハンマで打撃させたときの衝撃値を評価する方法です。 |
シリコーンゴム |
シリコーン樹脂のうち、ゴム状のものを指し、シリコーンゴム、ケイ素ゴムとも呼ぶ。 耐熱性をはじめ、耐水性、耐薬品性、耐候性、耐オゾン性、耐寒性に優れているため、食品、薬品、医療品などの部品をはじめ、製造現場でも多く使われている。 |
シース |
ケーブル外側の被覆のことで、絶縁体が濡れたり傷んだりすることを防ぐ。 |
スコット形法 |
ゴム引布、プラスチック引布、特殊生地のもみ摩耗試験のこと。 |
ステアケース法 |
プラスチックフィルムおよびシートの耐衝撃性を評価する試験のひとつ。規定の高さよりダートを試験片へ自由落下させ、20個を試験して破壊の有無を調べる。破壊と非破壊のどちらか数の少ない方が10個になるまで試験を続ける。試験の結果から、統計的に試験片の50%が破壊されるダートの質量(衝撃破壊質量)を算出する。 |
スナッグ試験 |
「引掛け作用により、糸が突出・引きつれを起こす度合い」を評価する試験のこと。 |
スプリングエロンゲーション法 |
エナメル線の軟らかさを評価する試験のひとつ。 |
スプレッドメーター法 |
印刷のインキの流動性“のび”の測定に使用されます。二枚の板でインクをはさみ、規定時間後に同心円状に広がる試料の直径を読み取り、スプレッドメーター値とする。 |
脆化 |
材料の変形において、抗力が大きく変形能が小さくなり、さらに伸びや断面収縮率が低下することを脆化といい、その性質を脆性、または、もろさという。 |
絶縁体 |
電気を通さない物質の総称。 |
た行
耐カッピング性 |
塗膜が部分的変形を受けたときの割れ及び金属素地からのはがれの抵抗性を評価する。 |
耐水度試験 |
試料に水圧をかけた時、どの程度で水が染み出すか評価する試験のこと。水圧への耐性を「耐水性」または「防水性」と呼ぶ。 |
ダイ |
樹脂材料を棒状に押出し成形する際に用いる金型のこと。 |
チャック |
対象物を固定するための治具のこと。 |
短絡 |
絶縁が破れたりして、抵抗のごく小さい回路ができること。電線やヒューズが焼け切れたりする。 |
トルク |
力学において、ある固定された回転軸を中心にはたらく、回転軸の周りの力のモーメントである。一般的には「ねじりの強さ」として表される。力の単位を表す「N(ニュートン)」と、長さを表す「m(メートル)」を積数として、「N・m」というトルクの単位となる。 |
な行
熱可塑性 |
常温では変形しにくいが、加熱すると軟化して成形しやすくなり、冷やすと再び固くなる性質のこと。 |
は行
パンメル値 |
パンメル接着試験を用いて、ガラス板に対する高分子中間層の接着力を測定できる(パンメル接着値は単位を有さない)。パンメル接着試験は、合わせガラス中のPVB又は他の中間層に対するガラスの接着力を測定する標準の方法である。 |
バイレック法 |
布の吸水試験のひとつ。たて・よこ各方向に、細長く切り出した試料を吊して下端を水に浸し、10分後の毛管現象で水が上昇した距離を測定する。 |
比重 |
比重とは、ある物質の密度(単位体積あたり質量)と、基準となる標準物質の密度との比である。通常、固体及び液体については水(温度を指定しない場合は 4℃)、気体については、同温度、同圧力での空気を基準とする。 |
比重カップ法 |
定容量カップ(金属製比重瓶)を用いて、液状塗料、接着剤等の密度(比重)を測定する方法。 |
引張応力 |
引張力が作用するときの、部材内部に生じる力のこと。 |
引張力 |
材料の両側を外側に引っ張る力のこと。 |
ヒートシール |
一定の加熱・加圧によってプラスチックフィルムを溶融接着させる方法。 |
へたり性 |
塑性流動で、ゴムは代表的粘弾性材料であるが長期の荷重や変形下では、塑性流動がおこる「へたり」とよび永久クリープや応力緩和として現れる。 |
ペンジュラム法 |
「引裂強さ試験」のひとつ。織物を引き裂いた際の破断する強度を評価する。試験片に20mmの切れ目を入れ、試験機の振子を振って試験片を切れ目から引き裂きく。試験結果は生地が引き裂かれた時の荷重となる。 |
ま行
曲げ剛性 |
曲げの力に対する変形のしづらさのこと。剛性が高いと 変形しにくい。 |
摩擦係数 |
「滑りにくさを表した係数」であり、値が大きい程、滑りにくいこと を表す。1kgの荷物を1kgの力で引っ張ったときの摩擦係数が 1 となる。 |
摩擦力 |
触れ合っている物体と物体のうち、片方が運動しようとする時、または運動している時、その運動を妨げようとする現象を摩擦という。摩擦は、接触している物体同士の接触面に発生する。 |
摩耗 |
機械の作用によって生じる摩擦、研磨によって表面が減量する現象のことを言う。 |
ミューレン形法 |
布の破裂強さを測定する試験。試験片を挟み込むようにセットし、油圧でクランプ下部のゴム膜を膨らませて試験片が破裂したときの最大強力(kPa)を測定する。 |
メルトフローレイト |
メルトフローレイト(Melt Flow Rate)とは、溶融プラスチックの流動性を測定する尺度の一つ。メルトフローレイトは元々はメルトインデックスとも呼ばれており、現在ISOでの名称は、g/10分で表す(SI単位)メルトマスフローレイト(MFR)と、cm3/10分で表す(SI単位)メルトボリュームフローレイト(MVR) である。 |
モジュラス |
ゴム弾性体に、一定のひずみを与えたときの応力(その物体が原型を保つために抵抗しようとする力)のことをいう。 |
ら行
リングクラッシュ試験 |
板紙の圧縮強さの試験。リング状に巻いた板紙の試験片が圧壊するまで、一定の速度で荷重を加え、圧壊したときの最大荷重をリングクラッシュ強さとする。 |
ロードセル |
力(質量、トルク)を検出するセンサーのこと。力を加えると、それを電気信号に変換する。荷重(力)を電気信号に変換する荷重変換器とも呼ばれる。 |
D
DTUL |
荷重たわみ温度試験のこと。プラスチック試験片に規定された試験荷重をかけて一定の速度で伝熱媒体を昇温させ、規定のたわみ量に到達したときの伝熱媒体の温度を測定する。 |
I
ICI形ピリング試験機法 |
着用中の摩擦による生地表面のピリング(小さな球状の塊ピル・毛玉)の発生の程度を調べる試験のこと。ゴム管に巻いた試験片をICI形試験機の回転箱に入れ、一定時間回転させる。その後試験片とピリング判定標準写真とを比較して、ピリングの発生の程度を等級判定する。 |
P
PVBフィルム |
自動車のフロントガラスの中間膜として使われる。ポリビニルブチラールが原料のフィルム。 |
V
VICAT |
プラスチックの耐熱性を測定する試験のひとつ。プラスチック試験片に規定された試験荷重をかけて一定の速度で伝熱媒体を昇温させ、針状圧子が試験片の表面から1mm侵入したときの伝熱媒体の温度を測定する。 |